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遺言の執行


遺言の執行は、相続人か遺言執行者がやる



 

T.遺言の執行


 
遺言を執行するとは、遺言書にかかれてあるとおりに実行することです。たとえばその内容が相続分の指定であれば、指定されたとおりに遺産を分配し、子の認知に関する内容であれば認知の手続を行い、推定相続人の廃除に関する内容であれば廃除請求をすることです。
 相続の開始後、
遺言書を見つけたらどうすればいいのでしょうか?その遺言書が公正証書以外のもので作られた物(自筆証書遺言・秘密証書遺言)である場合は、家庭裁判所で検認してもらわなければなりません。検認は遺言の形式等を調査確認し、改ざんなどの不正防止のために行います。特に封のしてある遺言書については、その開封は家庭裁判所において相続人全員またはその代理人立会いの下で行われます。勝手に開封したり、検認を受けないで遺言を執行したりすると5万円の過料に処せられるので注意が必要です。
 遺言書に後述する遺言執行者の指定がないときは、遺言の執行は相続人全員で行わなければなりません。




U.遺言執行者


 遺言執行者は相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な
一切の権限を持っています。遺言執行者がいる場合、相続人は相続財産の処分や遺言の執行の手続ができなくなります。例えば葬儀費用を故人の口座から引き出すこともできなくなります。ただ遺言が特定の財産にのみされている場合は、遺言執行者もその特定財産についてのみ遺言の執行を行うことになります。
 遺言執行者は、
遺言によってのみ指定でき、生前に遺言以外で指定することはできません。そして遺言により遺言執行者に指定されても、それを引き受けなければならないことはなく、辞退することもできます。せっかく指定しても辞退されては元も子もありませんから、引き受けてもらえそうな人を指定する必要があります。




V.必ず遺言執行者が必要な場合


 遺言の内容が@その
認知 A相続人の廃除・廃除の取消、の場合は必ず遺言執行者が必要になります。@については遺言による認知の場合、遺言執行者は10日以内に届を出さなければならない旨、戸籍法に記されています。A二ついては遺言で推定相続人の廃除の意思表示がある場合、遺言執行者は家庭裁判所に廃除の請求をしなければならない旨、民法に記されています。
 もし遺言に@やAの内容の記載があり遺言執行者の指定がないときは、家庭裁判所に遺言執行者の選任の申し立てをして、遺言執行者を決めてもらわなければなりません。

 

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