誠実に  確実に
遺産分割協議書
遺産分割協議ってなに?



T.遺産分割



 相続財産は、相続開始(被相続人死亡の時)によって相続人に包括的(まとめて)に承継されます。相続人が複数の場合、プラス財産の遺産が相続人の相続財産の割合で共有状態になります。例えば、マンションの住人が敷地の土地を共有しているような状態です。相続財産の中には現金や不動産や動産、債権や債務も含まれています。そこで 個々の財産についてそれぞれ相続人に分けることが必要になります。先ほどのマンションを例にとれば、住人が縦に共有していた土地を、平面的に横に分けるということです。




U.遺産分割協議


 相続人が一人の場合は問題ありませんが、複数の場合、だれが何をどれだけ相続するかを話し合わなければなりません。相続人が一人でも欠けると遺産分割協議が無効になってしまうので注意が必要です。協議に参加するのは相続人だけではなく、包括受遺者、認知された子、代襲相続人、未成年者の特別代理人、失踪者の相続財産管理人などです。




V.遺産分割協議ができない場合


 通常、相続開始後であれば、いつでも遺産分割協議を行うことができます。また、いつまでにしなければいけないということもありません。しかしつぎのような場合は遺産分割協議が禁止されています。

@遺言によって遺産分割が禁止されている場合。(遺言で禁止できるのは五年間)
A相続人全員の協議で分割を禁止した場合。
B審判によって分割が禁止されている場合。





W.分割の方法


遺産分割の方法は、遺産分割協議によることが原則ですが(協議分割)、遺言によって指定されていれば遺言に従います。(指定分割) また、分割協議が調わない場合、家庭裁判所に調停や審判を求めることができます。(調停、審判による分割)
具体的な財産の分け方については次のようになっています。 


現物分割 個々に財産の取得者を決める方法
代償分割 ある相続人が他の相続人に相続財産以外の財産を渡す方法
換価分割 相続財産をお金に換えて、その代金を相続人間で分配する方法





X.遺産分割協議書

 遺産分割協議は、共同相続人間での話し合い 合意のみで成立し、必ず書面に記さなければならないというわけではありません。しかし後日の無用な争いを避ける為には書面の作成は不可欠です。また相続財産に不動産がある場合、相続登記の際に添付書類となりますし、銀行口座の名義変更の際も遺産分割協議書の提示を求められることもあり、相続実務の面からも不可欠な書類ということがいえると思います。






Y.遺産分割協議書の作成上の注意点

@被相続人の.氏名・本籍・最後の住所・生年月日・死亡年月日を記載する。
A相続人全員の氏名・住所・本籍・生年月日・続柄を記載する。
B不動産の記載は、登記簿謄本のとおり記載する。
C預貯金については、金融機関・金額・口座番号を記載する。
D株式については、銘柄・株数・証券番号を記載する。
E各相続人は署名押印する(実印)
F協議書が数ページにわたる場合、各人が契印する。
G協議書は、人数分作成する。
H後日発見された遺産は、再度協議するかどうかを明確に記載する。






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